最近高地トレーニングマスクなるものが流行っているようです。
画像検索すると、このように商品がたくさん出てきます。
このマスクが本当に高地トレーニングの代わりになるのか興味を持ち、思い切って買ってみました(1万円以上します^^;)
このマスクは白いバルブの部分から空気を取り込むようにデザインされています。
空気の通り道に抵抗をかけており、呼吸をするのが大変で息苦しいい状態になります。
マニュアルを見るとバルブの組み合わせ方で強度を調整できるようです。
Koachの高度設定はおよそ2500m。それに合わせるために9000ft(約2750m)に設定してみました。
さてこのマスクを装着した状態でバイクに乗ってみます。
130wで5分程度回してみました。(動画15秒)
SPO2が下がらないので250w〜300wで漕いでみました(動画25秒)
130w5分でSPO2が下がる事はなく正常値の99をキープ。
高地トレーニングルーム内では、通常僕は90くらいまで落ちます。
なかなか下がらないので、最後に300wまであげてもSPO2値は変わらず・・・
(このメニューを高地トレーニングルーム内で行うと僕は80くらいまで落ちます)
比べる対象がないと困るので、高地トレーニングルーム内でも同じくバイクを130wで漕いでみました。
室内酸素濃度は15.1%(およそ2500m相当)
SPO2は91まで落ちます。心拍数も165まで上がりました。(動画30秒)
【結論】
僕に限って言えば(呼吸を鍛えていない人はどうかわかりません)残念ながら高地トレーニングマスクは高地トレーニングの代わりにはなりませんでした。
高地トレーニングルームで行うトレーニングの方がSPO2値を下げ、心拍数も高い状態でのトレーニングとなりました。
しかしなぜ高地トレーニングマスクではSPO2が下がらないのでしょう?
それはいくら呼吸が苦しくても、体には外気と同じ1気圧・酸素濃度20.9%の空気が入ってくるからに他なりません。
では高地トレーニングマスクに効果が無いのか?
そんなことはありません。呼吸自体に抵抗をかけることができるので、大いに呼吸筋のトレーニングになります。
イメージで言うとパワーブリーズを常に装着しながら運動している感じでしょうか。
パワーブリーズは友人で競泳界のレジェンド原英晃さんが、アンバサダーをしています。
呼吸筋のトレーニングも大いに競技力向上に効果があります。
どちらが良い悪いではなく、高地トレーニングとうまく併用すると良いと思います。
2017年11月1日加筆
他のスタッフでも試してみました。
スタッフ松村、心拍数は上がりましたがSPO2は下がらず。
スタッフ川島 SPO2は下がらず。
スタッフ坂本 一時90まで下がりましたが、その後95でキープ。
呼吸機能が弱い人であれば高地トレーニングマスクは高地トレーニングの代わりになるかもしれません。
またこのマスクはさらに抵抗値を上げることができますので(なんと最大18000ft:約5500m相当)そこまでやると僕でもSPO2は下がるかもしれません。ただしそれはどちらかというと窒息に近い感じなのでは・・・。やはり適切な負荷設定が一番大事で、このマスクでSPO2を下げることを目的にするのは少し危険かもしれません。
また近い内に試してみたいと思います。