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高地トレーニングはマラソンなど持久系種目にしか効果がないと思われがちですが、短距離を始めとするスプリント系種目にも効果が期待できます。

実際、競泳日本代表が高地合宿を行っていることはみなさんよくご存知でしょうが、100mなど1分以内で終わる種目にも効果は確実に出ていることでも、持久系競技の為だけのものでないのはなんとなく想像つくのではないでしょうか。

僕はスプリント系競技の選手にも盛んに高地トレーニングを勧めます。
その最大の理由は、日本ではあまり知られていないことですが、実は海外ではEPOがスプリンターにもドーピングで盛んに使われてきた歴史があるからです。

EPO(エリスロポイエチン)が高地トレーニングで分泌されるのは前回のブログで書きました。
自分の身体から出るのであればドーピングにはなりません。

たとえばこのサイトでは

なぜ、ここ最近は100メートルの世界新記録ばかり出ているのでしょうか。ほかの種目ではほとんど出ていませんが。
ソギュウ:おっしゃる通りです。世界新記録に関して言えば、短距離走が耐久種目をしのいでいます。長い間、わたしたちはこのような状況に確信を持てずにいましたが、現在は、特に耐久種目で使用されていた薬物が短距離選手の間で使われているとみています。
例えば、短距離選手に対してエリスロポエチン ( EPO ) の検査をしたことは1度もありませんでした。このホルモンは乳酸耐性を増大させ、筋肉を過酸性にし、体力の回復を促進するため、選手たちはより厳しいトレーニングに耐えることができます。

と、あの英雄の100mの大記録でさえ裏にEPOの存在を示唆しています。

また、さらにはスプリンターに対するEPOのドービングでの使い方まで説明しているサイトさえあります。
サイト名は隠しますが、そこには

Procrit (EPO or Erythropoietin)
EPO was used three days per week during the “corrective phase”, which is the first two weeks of a cycle. Typically, it was on Mondays, Wednesdays and Fridays. It was only used once per week during the “maintenance phase” thereafter, typically this was every Wednesday. The dosage was 4,000 IU per injection. The purpose was to increase the red blood cell count and enhance oxygen uptake and utilization. This substance provides a big advantage to sprinters because it enables them to do more track repetitions and obtain a much deeper training load during the off season. EPO becomes undetectable about 72 hours after subcutaneous injection (stomach) and only 24 hours after intravenous injection.

簡単に略すと
「メンテナンスフェーズ中に週1で使用。1回の投与量は4,000IU。赤血球数を増加させ、酸素の利用を促進させる。この物質を使用することで、より多くのトレーニングの繰り返しを行うことができ、オフシーズン中にはるかに強度の高いトレーニングをすることができる。」

つまり、海外でEPOは確実にスプリント系競技に効果があると認識されているわけです。

最後に高地トレーニングのスプリント系競技に期待できるメリットをまとめてみます。

  • 高地トレーニングを行うとEPOが分泌される
  • EPOは乳酸耐性を増加させる働きがある
  • EPOは酸素の利用を促進させる
  • 体力の回復を促進させる
  • 通常よりはるかに強度の高いトレーニングをすることができるようになる

スプリント系競技の方もぜひ高地トレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。